刺激伝導系

刺激伝導系とは

心臓を興奮させるための刺激の通り道を刺激伝導系とよびます。

刺激伝導系は右房の刺激生成部位である洞(房)結節(右房と上大静脈の接合部近傍にある)、心房筋と心室筋の唯一の連絡路である房室結節(三尖弁に続く心房中隔基部にある)、それに続くHis束、左室と右室に分岐した左脚と右脚、そして心室筋に分布するプルキンエ線維から構成されています。

プルキンエ線維に伝わった刺激は心室の心筋に電気的興奮を起こし、心室を収縮させ、これにより心臓から血液が全身に駆出されるというような流れになっています。

自動能

刺激伝導系の全ての細胞は電気的興奮を繰り返して発生する能力、すなわち自動能を有しています。

固有心筋(心房筋や心室筋)と刺激伝導系はともに外部からの刺激を受けなくても特有のペースで興奮を繰り返します。なかでも洞結節は自動能が高い組織であり、1分間に50〜150回の頻度で周期的に発生する自動能を有しています。

興奮のリズムが最も速いため通常は洞結節が心臓全体のペースメーカーとしての役割を果たしています。

もし上位の刺激伝導系が障害された場合には、下位の伝導系がより遅いレートで補充調律を形成するという安全機構ができています。(房室接合部で40〜50/分、固有心筋で30〜40/分)

洞結節から刺激が出ない!→洞結節より下の自動能をもっている組織から刺激が発生することで、その危機をのりきっています。これを異所性ペースメーカーといいます。

補充調律:補充調律とは洞結節以外から刺激がでることをさします。洞結節以外にも自動能をもっているのが房室結節とプルキンエ線維です。洞結節から刺激が出ているときには他の自動能は働きません。洞結節からの刺激がなくなった非常自体の時に補充調律として刺激を出し、心臓を動かしています。補充調律が出ているからといった安心なわけではなく、洞結節からの刺激が出ていないのであって、危険なシグナルであることは変わりません。

洞結節と房室結節の動脈支配

洞結節と房室結節は動脈の二重支配をうけ、動脈間吻合ができやすくなっています。

洞結節動脈は55%が右冠動脈から、45%が房室結節動脈から分枝しています。

房室結節動脈は90%が右冠動脈から10%が左回旋枝から分枝しています。

右冠動脈主幹部閉塞でしばしば房室ブロックを合併するのは房室結節に血液を供給している動脈は、右冠動脈に頼っている部分が大きいからです。

(動脈間吻合:別の動脈から枝分かれした動脈と動脈が末梢で連結して吻合を形成している)

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