虚血性心疾患

心臓の病気ー虚血性心疾患

虚血性心疾患とは、冠動脈という心臓に酸素や栄養を送り込んでいる血管が、動脈硬化などを原因として狭くなったり、詰まったりして起こる病気のことをいいます。

虚血(心臓などの組織に血液が行き渡らなくなった状態)

虚血性心疾患というとあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、狭心症心筋梗塞といった病気もこの中に分類されます。

狭心症も心筋梗塞も心臓の血管である冠動脈が狭くなったり、詰まったりした結果、血流不足・酸素不足を起こす病気なので虚血性心疾患とまとめて言っています。

虚血性心疾患の分類

虚血性心疾患は慢性冠動脈疾患急性冠症候群の2つに大別され、さらに慢性冠動脈疾患は労作性狭心症異型(冠攣縮性)狭心症に、急性冠症候群は不安定狭心症急性心筋梗塞に分類されます。

労作性狭心症

冠動脈の血管の壁にコレステロールがたまり(動脈硬化)、それにより血管の通路が狭くなってしまい、十分酸素が行き渡らず酸素不足に陥ってしまう病気です。

心筋が一時的に虚血状態に陥っていて、そのために胸部や隣接部の不快感、狭心痛が起こります。

名前の通り労作(階段をのぼった時や歩いている時、農作業をしている時など)時に胸の圧迫感、痛みが出現しますが、労作をやめると数分で症状が改善するのが特徴です。

階段をあがったり、重たい荷物をもつ時などには安静時よりたくさんの血液を身体が必要としています。そのため心臓の筋肉が頑張って血液を拍出しなければなりません。心臓の筋肉に血液を供給しているのは冠動脈ですので、この冠動脈が狭い状態だと十分な血液を送ることができず、虚血症状が起こってきます。

痛みは胸の圧迫感や締め付け感、灼熱感などと表現されます。

痛む部位は前胸部やみぞおち、左腕、頸などです。歯や喉が痛むこともあります。

痛みの持続時間は短く、たいてい数分くらいまでです。

異型(冠攣縮性)狭心症

冠動脈が一時的に痙攣して、血液の流れが悪くなった結果起こる狭心症を異型狭心症といいます。日本人に多く、狭心症の約6割がこの異型狭心症に関連していると言われています。

血管がコレステロールの蓄積で狭くなって起こる狭心症とは異なり、血管が痙攣、攣縮して起こるものなので、早朝や急激に身体が冷えた時、お酒を飲んだ時などに起こることが多いとされています。早朝の運動や不眠も発作を誘発してしまうこともあります。

また男性に起こりやすく喫煙が危険因子となっていることがわかっているので、早期に禁煙するようにしましょう。

不安定狭心症

狭心症の発作が以前より頻回に起こるようになって、労作時だけでなく安静にしている時にも生じるような時には不安定狭心症の可能性があります。

冠動脈の動脈硬化によって生じたプラーク(血管の内側にできたこぶのようなもの)が破綻して、そこに血栓が生じて冠動脈の流れが悪くなった結果起こる狭心症です。完全に閉塞してしまうと心筋梗塞となるため、心筋梗塞と不安定狭心症をまとめて急性冠症候群(ACS:Acute coronary syndrome)といっています。(急性心筋梗塞と不安定狭心症は粥腫の破綻から血栓形成という病態は同じなので、1つの疾患としてまとめて急性冠症候群とよばれています)

心筋梗塞の前触れとして考え、注意しなければいけません。

不安定狭心症にはAHAにより以下のように分類されています。

タイプⅠ 新規労作狭心症

新たに発生した労作狭心症、あるいは6ヶ月以上発作のなかったものが再発したもの。

タイプⅡ 重症化した労作狭心症

労作狭心症の発作頻度の増加、持続時間の延長、疼痛および放散痛の増強、軽度の労作でも生じやすく、ニトログリセリンの効きが悪くなったもの。

タイプⅢ 新規安静狭心症

安静時に発作を生じ、15分以上持続し、ニトログリセリンに反応しにくい場合であり、ST上昇ないし下降、T波の陰転化を認めるもの。

 

急性心筋梗塞

血栓で冠動脈が完全に詰まってしまい心筋が壊死する病気です。

狭心症のように血管が狭くなった結果起こるものではなく、血栓により詰まってしまった状態ですので、血液が流れていない部分には心筋の壊死が起こります。

心筋に壊死が起こると心臓のポンプ機能が低下するため、人によってはショックを起こしたり心不全を合併したり、危険な不整脈が起こるなどの合併症が出現します。

なるだけ早いうちに治療をして、途絶えた血流を再開してあげることが必要です。

症状は激しい胸痛が特徴です。30分以上続き、数時間続くことも少なくありません。冷や汗や嘔気を伴うこともあります。

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