血圧

血圧とは

血圧とは?

一言でいうと血管にかかっている圧力のことです。

心臓から血管に血液が送り出されることで血圧が生じるわけですが、血液が血管を押す力を血圧といいます。

血圧にはご存知の通り収縮期血圧と拡張期血圧の2つがあります。

収縮期血圧:心臓収縮による血液の拍出が、血管壁に及ぼす圧力=血液を押し出すときの最も高い血圧。

拡張期血圧:心室が拡張して大動脈弁が閉鎖した状態から血管壁に伝わっている圧力=拡張して血液の流れが緩やかなときの最も低い血圧。

左心室が収縮して左心室の中の血液を大動脈に駆出しますが、そのときの大動脈の血管内壁を押す力が収縮期血圧です。

左心室が収縮した後は大動脈弁が閉じます。すると大動脈にかかる心臓からの圧力はなくなってしまいます。血管は血液を末梢へと送る必要がありますので、大動脈弁が閉じた後は血管自らの弾性によって血管に圧力をかけて血液を送っています。血管の収縮により流れる血液が血管内壁を押す力を拡張期血圧といいます。

血液は心臓が収縮する際に末梢へと押し出されますが、血液を受け止めて拡張した血管が元の状態に戻ろうとする力によっても血液は末梢に押しだされるため、拡張期血圧も重要な指標になります。


血圧の圧力ってどれくらい?

血圧の単位はmmHg(ミリ水銀)です。

たとえば収縮期血圧160mmHgは水銀を160mmおしあげる力で血管を押しているということになります。

血液と水銀では比重が異なりますので、比重の違いで計算すると160mmHgは血液を約2mの高さまでふきあげる力になります。

これほどの圧力に耐えている血管ですが、高い血圧は次第に血管を傷つけてしまいますので、高血圧の治療がいかに大切かということが分かります。

心臓のWindkessel効果

心収縮期に動脈が拡張し、拡張期には元に戻ろうとする作用をWindkessel効果といいます。この効果のおかげで末梢血管へ血液を送ることができています。

加齢によりこのWindkessel効果が低下すると収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下し、脈圧は増大します。

上は正常、下は動脈硬化によりWindkessel効果が低下している場合。動脈硬化が存在すると収縮期血流が多く、拡張期血流は少なくなる。

「加齢に伴う血圧波形」:小原克彦 より引用


血圧の基準値

正常血圧:収縮期血圧120〜129mmHg かつ/または 拡張期血圧80〜84mmHg

正常高値:収縮期血圧130〜139mmHg かつ/または 拡張期血圧85〜89mmHg

高血圧: 収縮期血圧140〜159mmHg  かつ/または 拡張期血圧90〜99mmHg

収縮期血圧、拡張期血圧のどちらか一方が条件を満たしていれば、その分類に相当することになります。

分類が分かれた場合は高い方の分類を採用します。

脈圧

脈圧とは収縮期血圧と拡張期血圧の差のことをいいます。脈圧は重要な動脈硬化の指標の一つで、上昇すると心血管疾患および脳血管疾患のリスクが高まることが報告されています。

脈圧=収縮期血圧ー拡張期血圧

正常値は40〜60です。

加齢とともに収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧が低下することで脈圧は大きくなります。

脈圧は基本的には1回心拍出量と脈波伝搬速度(PWV)の積で表されます。通常成人において加齢に伴う1回心拍出量の変化はほとんどないことから、PWVが速いか遅いかが脈圧を決定する主要因となっています。つまり大動脈の伸展性が低下すると(血管が硬くなると)、脈圧は増大します。

心臓が収縮すると血液が大動脈へ駆出されますが、大動脈の弾力性が低下していると圧力が吸収されないで、末梢の血管に伝達されるため収縮期血圧は上昇します。

また、心臓の拡張期には大動脈が収縮し末梢に血液を送る(大動脈のふいご機能)ため拡張期血圧は0にはならず一定の血圧を示し、拡張期血圧として測定されます。

高齢者では大動脈のふいご機能が動脈硬化のために低下するので拡張期血圧が低下します。

拡張期は心臓が拡張して動脈へ血液を送り出す準備段階であり、血管にかかる圧力は最も低い状態になります。拡張期血圧が高いということは、血管に余分な圧力がかかっている状態であり、末梢の細い血管が硬い状態にあることが考えられます。(動脈硬化によって手先や足先の細い血管が硬くなり弾力性を失っていると、細い血管にかかる圧力を柔軟に逃がすことができなくなり、拡張期血圧は上がります。)

収縮期血圧は年齢とともに上昇する傾向があるのに対し、拡張期血圧は大動脈が硬くなり弾力性が低下する結果、拡張した血管が戻ろうとする力が弱まるため低下します。

拡張期血圧の低下は拡張期に還流する冠血流量を減少させるため心筋虚血を生じやすくなります。

高齢者における収縮期血圧の上昇と脈圧の増加は脳血管障害や心筋梗塞の危険因子となることが明らかになっており、血圧の測定と同時に脈圧も把握しておくことが重要です。

平均血圧

平均血圧=(収縮期血圧ー拡張期血圧)÷3+拡張期血圧

正常:90未満 90以上は注意が必要です。

平均血圧とは血流の定常成分(定常流:拍動のない血流成分)によって発生する圧のことです。人体において拍動のない定常流となっているのは細動脈から先の末梢血管です。そのためこれらの血管の肥厚や狭小化により総末梢血管抵抗が増すと平均血圧が上昇します。

平均血圧は心臓より遠い血管(細動脈や毛細血管)の動脈硬化の指標、臓器灌流の指標として用いられます。冠動脈は拡張期に血液が流れますが、それ以外の臓器においては平均血圧が臓器血流を規定しています。

また平均血圧は末梢血管抵抗や心拍出量を反映することが報告されています。平均血圧の調整に重要な役割を果たしているのは体内の血漿量を調整している腎臓といわれています。

血圧が上昇しやすい病態、低下しやすい病態

血圧が上昇しやすい病態

過活動せん妄、不穏、ストレス過多、大動脈弁狭窄症術後、腎動脈狭窄、腎機能低下、強い疼痛

血圧が低下しやすい病態

過鎮静、起立性低血圧、脱水、透析施行後、出血、徐脈・頻脈、左室拡張障害、長期臥床、過度の疼痛

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