心電図の基本

心電図とは

心電図とは心臓の拍動に伴って生じる微弱な電気的活動を体表面においた電極によって記録したものです。

 

心臓は筋肉でできた臓器であり、その筋肉を動かすためにかすかな電気が流れています。

 

この電気の活動をみているのが心電図です。

 

心臓が規則正しく動いているか、電流の流れ具合に異常はないか、不整脈がないかなどを確認することができます。

 

心電図でわかること

・不整脈があるかどうか

・心筋の血流が悪くなっていないか(狭心症)

・心筋梗塞をおこしていないか

・心臓の肥大や拡大がないか

・電解質異常かないか

など、心電図の波形を細かくみることで、非侵襲的に心臓の状態を把握することができます。

 

刺激伝導系

心臓の電気的興奮は右心房にある洞結節から発生しています。

 

その興奮は右心房から左心房に伝わり、心房全体が興奮して収縮が起こります。

 

心房の興奮は房室結節に入り、ヒス束右脚左脚を介して心室に伝わり心室の興奮を起こします。

 

この洞結節ー心房ー房室結節ーヒス束ー脚(右脚・左脚)ープルキンエ線維ー心室筋という伝導過程を刺激伝導系とよんでいます。

 

心電図の記録紙の見方

心電図の紙送りは25mm/秒、縦軸は1mV=10mmに設定されています。(1mm=0.1mV)

 

記録紙には5mmごとに太線が入っており、その間隔は0.2秒となっています。

(1mm=0.04秒なので、これが5マス(0.04×5)で0.2秒となります)

心電図の誘導の種類

心電図の誘導には

・四肢誘導双極(標準)肢誘導単極肢誘導

・胸部誘導

 

があります。

 

双極肢誘導、単極肢誘導は四肢に電極をつけて測定するもので、胸部誘導は胸部に電極をつけて測定されるものです。

双極肢誘導

心電図でⅠ、Ⅱ、Ⅲと書かれているのが双極肢誘導といわれるものです。

 

双極肢誘導は2つの電極の間の電位差を記録する方法です。

 

電気はマイナスからプラスに向かって流れるものなので、マイナス、プラスの2つの電極の電圧差を測定することで、心臓が発した電気の大きさを心電図波形として捉えることができます。

 

電極は4つあり、右手に赤、左手に黄色、右足に黒、左足に緑の電極をつけます。

黒はアースとよばれ、漏れ電流による感電を防ぐためのものです。

 

上の図のように、+の位置に目があり、そこから心臓を眺めていると考えます。

 

Ⅰ誘導:左手(+)で右手(ー)から向かってくる電気をみている。

左室の側壁をみる誘導。

 

Ⅱ誘導:左足(+)で右手(ー)から向かってくる電気をみている。

心臓を心尖部からみる誘導。四肢誘導で波形が最も明瞭に描かれる。

 

Ⅲ誘導:左足(+)で左手(ー)から向かってくる電気をみている。

右室側面と左室下壁をみる誘導。

洞結節で発生した電気は心尖部に向かって流れてきます。

左足から心臓を見ているⅡ誘導では、電気が近づいてくるような状況になるため心電図では上向きの波形を示します。

 

Ⅰ誘導もⅢ誘導も同様に、興奮が向かってくるのを+側から見ている状況になるので、上向きの波形となります。

単極肢誘導

 

右手(R)、左手(L)、左足(F)の3点は心臓をその中心におく正三角形と想定されます。(Einthoven三角形)。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の電気の通り道が心臓を中心とする正三角形になっていると仮定したものです。

 

この三角形の頂点を結ぶ中心をWhilsonの中心点といい、ここが不関電極(電位がほぼ0)となります。

 

単極誘導は、身体のいずれかにゼロ電位の場所(不関電極)を求めて、これを基準としてそれぞれの場所の電位を記録するものです。

 

不関電極から心臓の外へ流れる電気の差をみているものが単極肢誘導です。

 

双極誘導と異なり、+、ーの関係もないので、不関電極から直接各電極へ流れる電気を記録しています。

aVR:右肩から心臓をみる誘導。逆転した波形がえられる。

aVL:左肩から心臓をみる誘導。

aVF:心臓をほぼ真下からみる誘導。

以上から

Ⅰ、aVLは心臓を左側から、Ⅱ、Ⅲ、aVFは心臓を下方からみており、Ⅰ、aVLは心臓の左側壁を、Ⅱ、Ⅲ、aVFは心臓の下壁を反映しています(Ⅱ、Ⅲ、aVFは下壁誘導をよばれる)。aVRのみ心臓を右上方から観察する独特な誘導になります。

胸部誘導

胸部誘導は上にも出てきた不関電極がマイナス電極の役割となり、V1〜V6までの電極は+電極となっています。

 

プラス電極が目の位置となり、そこから心臓を眺めていると考えます。

 

V1誘導:右室側から心臓をみる誘導。

V2誘導:右室と左室前壁側から心臓をみる誘導。

V3誘導:心室中隔と左室前壁から心臓をみる誘導。

V4誘導:心室中隔と左室前壁方向をみる誘導。

V5誘導:左室前壁と側壁をみる誘導。

V6誘導:左室側壁をみる誘導。

トーアエイヨー 「これだけは知っておきたいやさしい心電図の見方」より

胸部誘導の電極のつける位置

V1 (赤色)→右第4肋間で胸骨右縁に接する点

V2(黄色)→左第4肋間で胸骨左縁に接する点

V3(緑色)→V2誘導とV4誘導の中間点

V4(茶色)→第5肋間上で左鎖骨中線との交点

V5(黒色)→V4誘導の高さで左方移動し左前腋窩線との交点

V6(紫色)→V4誘導の高さで左方移動し左中腋窩線との交点

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