右室梗塞

右室梗塞について

心筋梗塞は右冠動脈、左冠動脈の閉塞により起こりますが、右冠動脈の起始部の閉塞では右室梗塞を合併することが多くあります。

右室は右冠動脈より分枝する右室枝により栄養されているため、右室枝よりも近位部で右冠動脈が閉塞すると右室梗塞をきたします。

右側胸部誘導のST上昇が診断に有用とされており、V3R〜V6Rの0.5〜1mmのST上昇は右室梗塞の合併を示しています。(右側胸部誘導:胸部誘導のV3〜V6電極を左右対称に装着し記録したもの)

右室梗塞により右室機能が極端に低下すると左室の前負荷が減少することにより心拍出量の低下を招き、心原性ショックを起こします。

右心室の梗塞により右心室の機能が低下

右心室には全身から戻ってきた血液を肺へ送る働きがありますが、右室機能低下により送り出せなくなる。

右心室→肺→左心房への血液も減り、左心室への血流が減少する。

左心室から拍出する血液が少なくなり、心拍出量の低下、血圧低下をきたす。

右心室には送り出せない血液が溜まるため、結果右心房にも血液が溜まり、全身のうっ血をきたす。

右室梗塞によりショック時にはニトログリセリンや利尿剤の使用は原則禁忌であり、血行動態を安定させるためには再灌流療法に加えて輸液負荷による適度な前負荷の増加が必要です。

右室梗塞による心筋梗塞では、細胞外液の輸液を行なって循環血液量を増やします。

右室梗塞では右心室のポンプ機能低下によって肺から左心系へ十分な血液を送ることができず、ショック状態をまねいてしまうからです。

この点が通常の心筋梗塞の治療と異なるため、急性下壁心筋梗塞時には右室梗塞の合併を念頭において右側胸部誘導も確認することが大切です。

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