長期臥床による血圧への影響

長期臥床していた患者さんを起こす際に問題となることは、圧受容器反射の低下から生じると考えられる血管運動反射の消失による起立性低血圧とそれに伴う頻脈です。

健常者においても臥床状態から突然立位になると500mLもの血液が胸腔や腹腔から下肢に移動します。

下腿三頭筋などの骨格筋の筋ポンプ作用の減弱下肢静脈の伸展性が低下していると心臓への静脈灌流が減少します。

その結果1回心拍出量が低下し、血圧低下をきたし脳血流量の維持ができなくなります。

通常は血圧低下防止のために交感神経系が活性化します。頸動脈や大動脈弓に存在する圧受容器の反射によって交感神経が刺激され、その結果、血管が収縮し血圧が維持されるようになります。

長期臥床によって交感神経反応が低下すると血中のレニン、アンジオテンシン濃度が上昇せず、循環系システムが正常血圧を維持することができず、起立により血圧が低下することとなります。

立位姿勢において下肢の動脈には相当の圧がかかっており、そのためカテコラミンが放出され血管が収縮することにより脳への血流が維持されています。長期臥床患者にはこの調節機構が劣っているか消滅していることがあります。また起立時に胸腔や上肢の静脈血は下肢に移動するため静脈圧は80から100mmHgに増加します。ほんの短時間の下肢運動で静脈血の貯留を減ずることができ25mmHgの正常圧に保つことができるといわれています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です