経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)

SpO2とは

経皮的動脈血酸素飽和度のことを指します。

簡便で非侵襲的に酸素化の状態を確認することができるものです。

動脈血中のヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合を測定しています。

ひとことでいうと、どれくらい動脈血中に酸素が供給されているか「酸素化」を見る指標の一つです。

通常であればルームエアー(21%の通常の大気下)でSpO2 95%以上が正常値です。

呼吸不全とは「低酸素血症により正常な状態が維持できなくなっている状態」であり、PaO2が60mmHg未満のときに呼吸不全と診断します。

呼吸不全の診断のためにはPaO2の測定のために動脈採血が必要になりますが、動脈穿刺は静脈穿刺に比べて侵襲性や合併症のリスクが高く、安易に行われるものではありません。

そこで体内の酸素状態を評価するために活躍しているのがパルスオキシメーターによる酸素飽和度SpO2の測定です。

パルスオキシメーターは動脈血液中のヘモグロビンの赤色光と赤外光の吸光度比を算出して動脈血液中の酸素との結合状況、すなわち動脈血酸素飽和度(SaO2)をSpO2として測定しています。

SaO2は動脈血を採取し測定しなければなりませんが、SpO2は経皮的に測定することができます。

動脈穿刺で測定するSaO2とSpO2との誤差は5%以内と報告されており、またPaO2 60mmHgのときのSpO2は90%に相当するため、動脈血ガス分析を行わなくてもSpO2 90%未満を呼吸不全と定義することが可能です。

SpO2を評価する際に重要なことは、SpO2単独で呼吸状態を評価せず、呼吸数や末梢冷感などの他の指標と組み合わせて総合的に判断することです。

酸素の流れ

呼吸によって酸素が肺に入ります。

肺胞に入った酸素は肺胞から毛細血管への移行します。

血管内に入った酸素の多くは赤血球内のヘモグロビンと結合し、一部は血漿に溶解します。

酸素を多く含んだ動脈血は肺静脈→左房、左室を経て全身に運ばれ、各臓器の細胞に供給されます。

貧血とSpO2

SpO2は動脈血酸素飽和度で、ヘモグロビンのうち酸素と結合しているヘモグロビンの割合を%で表示したものです。

貧血の場合にはヘモグロビンに高い割合で酸素が結合してSpO2が正常値を示していても、ヘモグロビン自体の量が少ないため、組織は低酸素状態となっていることに注意が必要です。

ヘモグロビンを車、座席に酸素が乗ると考えるとしましょう。座席には酸素がいっぱい乗っていても、車自体の数が少ない状態が貧血です。

貧血でヘモグロビンが少ない状態では、SpO2が正常でも血液中の酸素の量は少ない場合があります。

なので、貧血で息切れが出ていてSpO2は正常の時には輸血などでヘモグロビンを増やさないと息切れが改善しないことになります。

SpO2低下時に確認すること

SpO2は呼吸状態を評価する一つの指標にすぎません。SpO2の変化を確認したら、それ以外の状態確認をおこない呼吸状態の変化を評価することが重要です。

低酸素状態であれば呼吸だけでなく循環にも影響するため脈拍や末梢循環も確認します。

<SpO2低下時に確認すること>

呼吸数・呼吸リズム

頻呼吸、徐呼吸、浅表性呼吸(浅く速い呼吸)、不規則な呼吸パターンなどの変化。

呼吸音

肺雑音の有無。微小の無気肺では自覚症状がないことが多い。

体位

自然と起座呼吸や側臥位をとり、症状の軽快を図る場合もあるため、体位をかえて症状の出現がないか確認する。

血圧、末梢冷感、チアノーゼ

低血圧患者では末梢循環血液量が不足し正しく測定できないことがある。

脈拍

低酸素状態では頻脈傾向を示す。

 

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