離床基準や判定基準

STEMIに対する急性期リハビリテーション:次の段階へ進むための判定基準

(「急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン」より)

1、自覚症状:胸痛、呼吸困難、動悸などの自覚症状が出現しないこと

2、心拍数:心拍数が120/分以上にならないこと、または40回/分以上増加しないこと

3、不整脈:危険な不整脈が出現しないこと

4、ST変化:心電図上1mm以上の虚血性ST低下、または著明なST上昇がないこと

5、収縮期血圧:室内便器使用時までは20mmHg以上、歩行負荷以降は30mmHg以上の収縮期血圧上昇がないこと(ただし2週間以上経過した場合は血圧に関する基準は設けない)

負荷試験に不合格の場合は、薬物投与などの対策を実施したのち、翌日に再度同じ負荷試験を行う。

心臓リハビリテーションにおけるレジスタンストレーニングの禁忌

(日本心臓リハビリテーション学会編 「心臓リハビリテーション必携」)より

絶対禁忌

・不安定な冠(状)動脈疾患

・代償されていない心不全

・コントロールされていない不整脈

・重篤な肺高血圧症(平均肺動脈圧55mmHg)

・重症で症状のある大動脈弁狭窄症

・急性心筋炎、心内膜炎、心外膜炎

・コントロールされていない高血圧(>180/110mmHg)

・急性大動脈解離

・Marfan症候群

・活動性増殖性網膜症、中程度から悪化傾向のある非増殖性糖尿病性網膜症患者に対する高強度(80%1RM〜100%1RM)の筋力トレーニング

相対的禁忌

・冠(状)動脈疾患の主要なリスクファクター

・糖尿病

・コントロールされていない高血圧症(>160/100mmHg)

・運動耐容能が低い(<4METs)

・筋骨格系の制限がある

・ペースメーカーや除細動器の挿入者

ICUにおける早期離床・積極的運動の禁忌

(日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会:集中治療における早期リハビリテーションー根拠に基づくエキスパートコンセンサスー.日集中医誌 より)

・担当医の許可がない場合

・過度に興奮して必要な安静や従命行為が得られない場合(RASS≧+2)

・運動の協力の得られない重篤な意識障害(RASS≧-3)

・不安定な循環動態でIABPなどの補助循環を必要とする場合

・強心昇圧薬を大量投与(ドパミン≧10γ、ノルアドレナリン≧0.1γ)でも血圧が低すぎる場合

・体位を変えただけで血圧が大きく変動する場合

・切迫破裂の危険性のある未治療の動脈瘤がある場合

・コントロール不良の疼痛がある場合

・コントロール不良の頭蓋内圧亢進(≧20mmHg)がある場合

・頭部外傷や頭部損傷の不安定期

・固定の悪い骨折がある場合

・活動性出血がある場合

・カテーテル・ドレーン類、点滴ラインの事故抜去、事故抜管の可能性が高い場合

・安全を確保するためのスタッフが不十分な場合

・本人または家族の同意が得られない場合

早期離床、積極的運動の開始基準

(日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会:集中治療における早期リハビリテーションー根拠に基づくエキスパートコンセンサスー.日集中医誌 より)

意識:-2≦RASS≦1

疼痛:NRS≦3or VAS≦3、BPS≦5orCPOT≦2

呼吸:RR<35回/分が一定時間持続、SpO2>90%が一定時間持続

人工呼吸器:FiO2<0.6、PEEP<10cmH2O

循環:50≦HR≦120bpmが一定時間持続、平均血圧≧65mmHgが一定時間持続

24時間以内にドパミン、ノルアドレナリンの増量がない

新規の心筋虚血を示す心電図変化、重症不整脈がない

その他:ショックから離脱し安定、SAT・SBTが実施中、出血傾向がない、動作時に危険なラインがない、ICP<20cmHg、患者または家族の同意がある

早期離床、積極的運動の中止基準例

(日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会:集中治療における早期リハビリテーションー根拠に基づくエキスパートコンセンサスー.日集中医誌 より)

心臓外科手術後の離床開始基準

(循環器病の診断と治療に関するガイドライン2011年度合同研究班報告.心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン2012年改訂版 より)

以下の内容が否定されれば離床が開始できる

1、低(心)拍出症候群(LOS)により

①人工呼吸器、IABP、PCPSなどの生命維持装置が装着されている

②ノルアドレナリンやカテコラミン製剤など強心薬が大量に投与されている

③(強心薬を投与しても)収縮期血圧80〜90mmHg以下

④四肢冷感、チアノーゼを認める

⑤代謝性アシドーシス

⑥尿量:時間尿が0.5〜1.0mL/kg/hr以下が2時間以上続いている

2、スワンガンツカテーテルが挿入されている

3、安静時心拍数が120bpm以上

4、血圧が不安定(体位交換だけで低血圧症状が出る)

5、血行動態の安定しない不整脈(新たに発生した心房細動、Lown Ⅳb以上のPVC)

6、安静時に呼吸困難や頻呼吸(呼吸回数30回/分以上)

7、術後出血傾向が続いている

理学療法の実施の目安(心臓血管外科手術後)

(高橋哲也著「心臓血管外科手術後の理学療法ー早期離床から再発予防までー」より)

理学療法を積極的には行わない

1、心原性ショック(様)の状態、生命維持装置装着中

2、ノルアドレナリン投与中

3、安静時心拍数120拍以上(瞬間の上昇は含まず)

4、血圧が不安定(体位交換だけでも低血圧症状が出る)

5、血行動態の安定しない不整脈(新たに発生した心房細動、Lown Ⅳb以上のVPC)

6、起座呼吸など急性心不全の症状(頻呼吸、酸素化不良)

7、安静時から胸痛が出る(不安定狭心症)

一時中止する

1、収縮期血圧の過度の上昇

2、めまい、冷や汗、吐き気などの低血圧症状の出現

3、頻呼吸(30回以上)、過度の息切れ(RPE>15)

4、動悸や胸痛、全身疲労、下肢関節痛などの自覚症状の出現

5、運動による不整脈の増加(PVC10回/分以上)

6、運動による心電図変化(虚血性ST下降1mm以上)

7、患者が拒否した場合

8、安全な心臓モニタリングができない(機械の不具合など)

注意が必要

1、心胸郭比の連続した増加

2、乏尿、体重の増加

3、乾性咳嗽、痰量増加

4、全身の倦怠感、疲労感がとれない

5、食欲不振

6、睡眠不足

7、下肢や眼瞼の浮腫増加

8、表情が冴えない、顔色が悪い

9、安静時から呼吸が荒い

10、パルスオキシメーターが使用できない

 

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