SAM(収縮期僧帽弁前方運動)

SAM(systolic anterior movement)

SAMとは収縮期僧帽弁前方運動のことで、心エコー図にて肥大型心筋症における左室流出路閉塞を示す所見としてみられます。

閉塞性肥大型心筋症では肥大した中隔のため流出路が狭く、収縮早期に駆出血流速度は上昇します。近傍にある僧帽弁尖がventuri効果により流出路へ引き寄せられるため、収縮中期以降に僧帽弁帆が肥厚してせりだした心室中隔に接触することにより左室流出路が狭窄、圧較差を生じるといわれていますが、他にも多くの説があります。

(venturi効果:流量が一定の時に断面積が狭くなると流速が速くなるというもの)

僧帽弁逸脱症や大動脈弁閉鎖不全症など他の疾患でも観察されますが、これらは腱索に起因するものであり、左室流出路閉塞の原因とはなりません。

閉塞部圧較差は左室内腔閉塞の程度の評価に用いられます。

安静時の左室内腔圧較差≧30mmHgを認める場合、閉塞性肥大型心筋症と定義され、経皮的中隔心筋焼灼術の適応基準となっています。

さらに安静時では左室内腔圧較差<30mmHgであったも運動、アルコール摂取、咳、Valsalva負荷、カテコラミン製剤、利尿剤、亜硝酸薬などの①収縮性の増強、②前負荷の減少、③後負荷の減少によって、左室内腔圧較差≧30mmHgとなる潜在性の左室流出路狭窄症例が存在します。

そのため安静時には左室流出路狭窄がなくても、労作時の息切れや失神など左室流出路狭窄が疑われる症状を有する症例のなかにはドブタミン負荷心エコーにより一過性の左室流出路狭窄が誘発される症例が存在し、このような症例ではβ遮断薬などの治療を考慮する必要があります。

左室流出路狭窄(LVOT)の定義

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